COMPASS第1巻 「―日本手話への招待状−」進行担当者解説時手話の詳細訳 今日は このビデオ[COMPASS]お買い上げ頂き本当にありがとうございます このビデオの内容について進行を担当する私、名前を緒方と申します よろしくおねがいします このビデオは何かと言いますと手話学習のビデオです 今まで聴者の皆さんが手話講習会等で手話を学習し、 その後ろう者と交流する際通じなかったり読み取れなかったり 色々な事が沢山あると思います そういった人を対象としたビデオです そこをご理解ください このビデオの中身はろう者の女性2人の会話、自然なろう者のお喋りです ここに表れている手話を日本手話と言います ろう者が使用する「日本手話」は言語なのです これは日本語とは異なります この日本手話を学習するビデオなのです 日本手話は、いままで聴者のみなさんが手話を学ぶ場合 日本語を頭の中に描き日本語を考えながら手話を見て どの日本語に変えればいいか考えてきたことが多いと思います でも今回このビデオで学習する時に適切な日本語は何かを考える事は 壁になってしまいます なので日本語は考えず頭から取り去ってこだわらないで手話だけに 集中して学習してください もし日本語を考えてしまうと把握できなくなりますので 日本語をできるだけ考えないようにし手話だけを見て 学習していただきたいと思います とにかく会話編の後流れに応じて私が適宜説明を加えます 「ろう文化とは何か」とか「この手話は何故こう表すのか」とか その他色々説明します とにかくこのビデオはおよそ1時間くらいです 1時間の学習をみなさんと一緒に頑張りたいと思います ではどうぞ 今の女性2人の会話、この2人の女性は初めて出会ったのです 初めての出会いの時の自己紹介の様子です この会話を見て何か気づいたものがありますか? この会話の中に「ろう文化」と呼ばれるものが含まれていました その例として3つ挙げます まず1つめは挨拶 聴者の皆さんが日本語での場合、人に会った時「今日は」とか 「今晩は」と声を掛けますよね でもろう者が出会った時「今日は」とか「今晩は」とろう者は使ってます? どうでしょうか? 例えば講演とか大会とかの正式な場においては使う場合もあります でも普通にろう者が出会って話をする場合は必要ないのです 変わりにどんな方法をとるのかと言うと例えば初対面の場合は 「ねえ、はじめまして」とか「ねえ、あなたろう?」とか 「ねえ、私の名前は」とかの様にし挨拶はしません、省きます しかしやがて何度も会って友達になった場合は「ヤァ」とか 「ハーィ」とかあとはそれも抜きで会ったとたんいきなり話し出す ろう者もいます とにかく「今日は」とか「今晩は」を使うのではなくて ろう者と出会ったときは省いてもいいのです 2つめ まず名前を聞いて次に出身地を尋ね その次は必ずろう学校の卒業はどこか尋ねます 会話の中にもありましたよね この「ろう学校卒業どこ?」って尋ねるのもろう文化の1つなのです 聴者の場合は「大学どこ?」なんて質問するのはないですよね ろう者の場合は必ず尋ねる必要があるのです なぜかと言えば、ろう者の場合、全国各地にろう学校がありますが 例えば高等部の場合ですと1年に1・2度全国から集まる、例えば 野球・陸上・バレーなどの大会が開かれます 全国ろう者大会で集まった時交流があります 交流も終わりやがて卒業し久しぶりにろう者と会った場合に出身校を 尋ね、例えば相手が東京の大田ろう学校と答えた場合 「あぁ、知ってる。あの先輩のあの人、名前・・知ってる?」 「あぁ私知ってる。学校の先輩」「あぁそう」のように 話のきっかけにできるのです だからろう者の場合は[卒業はどこ?」って質問は必ずします しかし聴者の場合は質問するかしないかはどちらでもかまいません でもろう者どうしの出会いでは必ず質問することが多いようです 3つめは「結婚」 さっきも「結婚してる?」「結婚まだ?」どちらか尋ねてました 会話の中で「結婚してるの?」「私まだ」と言うのがそれです 聴者の場合は初対面の人に結婚してるか聞くのはマナーに反するので すこし遠慮しますよね でもろう者の場合は当たり前な様に 「結婚してる?」「結婚まだ?」って聞きます これは何か詮索するのでなく自然に 結婚してる?結婚まだ?へぇ、そお・・の様な会話は多く使います この3つ頭にいれておいてください。 今の会話の表現で指差しが2度ありました 最初の「あぁ」の指差しと「埼玉」の次の指差し、この2つ この2つは同じでしょうか?違うでしょうか? 2つの内の最初の「あぁ」の所の指差しは意味を持ってないのです 例えば、つまり自分の頭の中で考え中「あれは・・何だったっけ」 「そうだ!埼玉」の様な時にろう者が使う場合が多いのです この最初の「あぁ」の指差しに続く2つめ「埼玉」の後の指差し これは埼玉を指しているのです 2つめは埼玉を指し1つめは意味を持たない、こう区別があります ろう者は指差しを多用します この指差しそれぞれに意味が有るもの無いものの区別 これは各々なので見分ける必要があります もし本当は意味が無いのに有るのではないかと間違ったり 逆に本当ははっきりものを指してるにもかかわらずたいしたことない 意味が無いと間違ったりすることが多いのでとにかく指差しの 判断には注意してください 今、単語単位にご覧になって何かなるほどと思うものがたくさんあった と思います 例えば名前を表す時、会話の中では「村川」こう「村川」と表してました 本当はこの様に「村」、「村、川」ですが ろう者の場合は自然に音韻変化 がおこり2つが連続して表された「村川」の様な音韻変化として 表されます これはろう者が使うことが多いですね 他には、例えば、もう一人の場合は「鈴木」と表してましたが 本当は「鈴、木」です でも連続した結果「鈴木」となってつながってます この他にも「小林」はこの様になり同じようなケースは沢山あります この音韻変化は聴者が読み取れなくなる事が多いようです だから読み取りに慣れるよう頑張ってください 今聴者が表現しましたが ろう者の手話と聴者の手話では違ってますよね ろう者は日本手話で表し聴者は日本語対応手話で表しています この2つを比較して違いは何かと言うと 手話の単語は殆ど単語的には似通ってます でも例えば1つめは文法(顔の眉の上下)、例えば、「何?」の時の 眉の動き、 ろう者では「何?」の時の眉の動きは文法であり「なんですか?」 の意味を持つ疑問文となります 疑問文の場合は「何」に眉の動作が加わりますが聴者の場合は 「何ですか?」と手だけで表すといった違いがあります 文法である眉の動作はろう者は多く使います 2つめは音韻変化です さっきも説明したと思いますが、例えば「鈴木」の場合でも 「鈴、木」といった違いがありました 他にも表現の流れにろう者の場合は流れの中の何と言うか話の 抑揚があります 例えば気持ちに結びつくものです、感動・平常・悲しみ・怒りと いったものに手話のリズムも早い・ゆっくり・早いとかの 抑揚となります 表現を見ている受け手に伝わってくるものがありますが 聴者の場合はリズムが一定で「私」「名前」「・・です」など坦々として 抑揚がない なので何か伝わってきて訴えるものがなかったり内容を捉えるのが少し 難しくなったりするのです なのでろう者の自然な手話の中にきちんと文法(まゆの上下)・ 音韻変化、他にもいっぱいあると思いますが ここに注意して学び取った後自分で表現する練習をしてください 今の会話の中で話しかけに対して 受け方というよりも反応の表現が沢山あったとおもいます その中に<オーバー>という表現が沢山ありました この<オーバー>はろう者が使うことが多いです 例えば話し相手の説明に対して聴者の場合はただただ頷くだけの事が 多いでしょう でも頷きだけでなく他に「なるほど」とか「ヘェー」とかの方法も あります 他にも本当に沢山の方法があります 「オーバー」、「本当なの」、「あんぐり」とか 目で「マジ」、「え〜」とか「うそ」など色々な反応は大切です 会話に反応があれば会話の、なんていうか、内容を盛り上げることが できます 反応がなければ会話がしらけてしまいます 会話が続かず途切れてしまいます なので反応は聴者の人もできるだけ表すようにして下さい 2つめです 今村川さんのお話に北海道の経験談がありました この中に父親の経験談として気温がマイナス15から20度の寒い 時にお風呂につかる話がありました ここに手話単語とは別の表現方法がありました つまり状況を見て、見た様子をそのまま伝えるために、見たままを つかんてそれを表すということが多いです 例えば、1つめは、お風呂につかって、お風呂に入ってのんびりしているあの様子、これは手話単語とは違って状況を表しているものです こののんびりしてる様子が1つで2つめは、雪が激しい中のスキー このスキーの時、滑っているときに吹雪が顔にあたった後目に何か 塊がつきこれを取る鼻からも取ると言う話がありましたよね この塊は何かと言うと雪が氷となって目についた物を取ってる鼻からも取ってるというもので手話単語ではなく状況の表現です 他に3つめは、そうそう お風呂につかった時、顔をあらうタオルを絞って頭に乗せ、風呂から出て 歩いているとタオルが凍りつき家に入ると溶けるという話がありました このタオルが凍りつくという様子も状況を表現してる訳です 凍りついたのが家に着くと溶ける 凍りついたり溶けたりといった状況説明はろう者の表現では よく使われます とにかく状況を見てつかんで表現する方法は聴者も真似して練習し 表してみて下さい 先ほど初めにも説明しましたが日本手話は言語であるといいました 日本手話は本来の意味での言語であり日本語とは別の言語なのです 言語とは例えば日本語・英語・フランス語・ドイツ語といった色々な 言語と同じく手話も言語の1つとして対等なものです 言語であるために必要な条件を4つ挙げると 1つは文法で顔の眉の上げ下げもそうです 2つめは音韻変化で先ほどの単語の連続性ですね 3つめは語彙で単語です 例えば<得意>とか色々あります 4つめは使い方です 例えばろう文化も含まれています 先ほどもろう文化の中で説明したと思いますが この4つをもつものが言語として認められるわけです この4つは日本語言語と手話言語を比べてみれば違いが 分かると思います 日本手話というものはろう者が生まれたときから自然に身につけたもので意識せず使っているものが多いのです 手話といっても幅が広く日本手話の他にも色々あります 例えば日本語対応手話で特に中途失聴・難聴者の人たちは 日本語対応手話を使うことが多いです それがいけないのではなくそういった使い方もあるという事を 尊重する必要があります でもろう者は日本手話を使います 聴者は2つあるという事を理解してほしいと思います この日本手話は特に聴者にとって読み取れない・読み取り出来ない・ 内容をつかめない事が多いと思います なので今このビデオで学ぶ際に日本手話とはなるほど奥深さが いっぱいあると気づくはずです とにかく時間がかかると思います長く勉強を続け学習を積み重ね 身につけてください 今のろう者の話の中に見られたいくつかの単語についてその使い方を お話したいと思います まず<得意> この<得意>は2人の会話の中で<東京>+<来る>+<得意>と ありましたよね <東京>+<来る>+<得意>の<得意>は日本語のトクイと 同じでしょうか?違うでしょうか? 違いますよね 日本語のトクイと言えば、スポーツが得意とか絵が得意というのは あります 手話の<得意>は別です <得意>を日本語に変えるのは難しい、変えようがないですね とにかく意味は何かと言えば 例えば北海道生まれの女性いましたよね 北海道で生まれ育ったのに今東京にいる 東京にいる?東京に来たのは<得意>となり、これは質問で、 この<得意>は、東京に来たのは何故?と似ています 「どうして」という事です 他に、家を買うとします、家を買う、家を買うと言うのは安くはない 高価ですよね 例えば3〜4千万ぐらいで家を買う 普通なら年齢が40、30〜40代の人が買うのは妥当でしょうが 男性、二十歳、年が二十歳の若い男性が家を買ったような時、 <得意>、<得意>?と使います 普通は二十歳といえばお金、貯金なんてないですよね あってもほんの僅かというのが想像できますよね でも家を買ったので、なんで?どうして? のような気持ちがありますよね そういった時<得意>を使います 他にもあります 結婚の場合 結婚した奥さんの顔はすごくきれいなのにご主人の顔は 並以下で太ってる それが結婚した、エッ 奥さんが美人ならご主人もハンサムな人と結婚すると想像しますが 意外にご主人は普通というより顔は並以下で 太ってるのに結婚した<得意> <結婚>+<得意>?と表す方法もあります 次は<オーバー>です さっきも説明しました反応です 会話で<オーバー>と使います この<オーバー>にも意味が色々あります 日本語のオーバーは日本語の例だとスピード、車のスピードオーバーと いう使い方があります 手話の場合は別です 手話で<オーバー>といえば、例えば色々ありますが、全部の説明は できません 例えば回転寿司では食べ終わったお皿を積み上げますよね 普通は何皿?私の場合は5、6皿で少ないかもしれませんが とにかく友達、彼女は体は細く背も小さい、そんな彼女と一緒に行った とき私は5、6皿なのに彼女は何枚も積み上げて30皿、<オーバー> と表す方法もあります また 内容がすごい場合とか自分には真似出来ないような話を聞いたときに <オーバー>を使います ほかにも色々あります つぎは<パー>です この<パー>はろうの彼女が表していましたが スキーで吹雪がすごいとき<パー>がありました この<パー>は、<パー>の意味は、そうですね、 スキーでは普通の積雪で風がなければスムーズに滑れますよね が、たまたま吹雪のため風が強く滑るのが大変、滑るのが無理な時 <滑る>+<パー>と使います <パー>これに近い意味は「出来ない」が似てます、近いですね 例えば、私は料理が<パー>とあれば料理が出来ないという意味です 他に、スポーツ、水泳<パー>とか食事に出たものが、 例えば、蛇のぶつ切りの煮たものなら食べられますか? 私は<パー>です 普通聴者の場合は<私>+<食べる>+<できない>と<できない>を表現しますがその代わりに なるのが<パー>と表す方法です 次は<くだらない>です この<くだらない>というのも日本語とは違います <くだらない>は例えば 私が以前ろうの女性と話していた時<くだらない>があって スキー場の雪は北海道の雪と新潟・長野では違うらしいのです 新潟・長野で滑るときスキー板を左右に振ると雪けむりが舞いますよね これが北海道の場合は<くだらない>+<エッヂをたてる>だけで すごく舞い上がると表してました この彼女の言った<くだらない>は強くたてたのではなく軽くたてた だけですごく舞い上がるという意味です 新潟の場合は軽くたてただけでは少ししか雪が舞い上がらず 強くたてれば雪を舞い上げられるのですが北海道の場合は <くだらない>+<滑らせる>だけですごく舞い上げられるのです この<くだらない>の意味は軽いに似てます 他に父の生まれは<くだらない>東京生まれというのがありました 想像するに片方の彼女は北海道生まれ、比べて自分の両親は <くだらない>東京生まれとなるのですね 他に、例えば、仕事について尋ねた時、「私の父は医者」「へぇ医者」 「私の父は社長」「へぇ私の父は<くだらない>普通の会社員」 <くだらない>はそんな風に使います 次は<言う>です この<言う>と言うのは「私の名前は村川<言う>」という表し方も あります それは置いておいて他に<言う>という使い方が色々あります 例えば相手の話に対して<言う>を返す反応です 相手の話で自分が今まで聞いたことのない初めて聞くような場合 話にたいして「ヘェ」<言う>と使います 今まで知らなかったとき「ヘェ」<言う>と反応を示す方法があります また他に<言う>は、秋田美人<言う>というのが鈴木さんの話に ありましたね この秋田美人<言う>の<言う>の意味は「美人+それ」と言うことで 意味は色々あります つぎは<意味>です この<意味>は普通はこう両手で表しますがろう者は片手で<意味>を 使う場合が多いです 両手ではなく片手だけで<意味>と表すことが多いです これも日本語とは違います 「意味何?」という時の「意味」とは別 例えば最後に<意味>と付けます 例えば、娘がいるとします、年がまだ22歳なのに小さくはない娘が いる<ナゼ>? に対して「ああ、私が高校のときに妊娠した<意味>」の様な<意味>の 使い方があります 聴者の場合はこんがらがる事が多いでしょうし この<意味>の使い方を把握するのは難しい面が沢山あります とにかく文の最後に<意味>、話の最後に<意味>とつける使い方が 多いですね 日本語の「意味」とは別です 今お話ししたのは全部で6つあります 本当はこの6つだけでなく他にもいっぱいあります とにかく今回は選んで説明しました やはり聴者の皆さんが本当の使い方とか意味を知りたい場合は ろう者に会って聞く方法が良いと思います またろう者と会話をしてる時にろう者の表現の中から こんな使い方をするのかと想像し把握しておき別のろう者と 会った時に同じ表現があれば、なるほどこうするのかと 自分の身につけることが必要だと思います 今回のこのビデオ学習はいかがでしたでしょうか 実際日本手話は文法・音韻変化・語彙・使用等といったものが 色々と本当に沢山あります また単語の使い方も色々あって本当に難しいですね とにかくビデオで学習した後はろう者と交流することが大切です ビデオだけで学ぶのは無理があります 色々なろう者と交流すれば自然と身に付けることができます とにかくこのビデオの最後におまけがあります それは単語の表し方をはっきり丁寧に表してあるものです これをおまけとして付けてあります とにかく最後まで見てください ではさようなら ------------------------------------------------------------ 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3−7−3 ミュール代官山5F (株)インフォーム 手話企画開発部    担当 緒方リナ FAX:03-3760-5718 TEL:03-3760-5717 E Mail:sign@inform-inc.co.jp HP:www.inform-inc.co.jp/syuwa.htm ------------------------------------------------------------